
いよいよ令和8年の診療報酬改定が6月から開始します。
今回は、社労士、医療事務両方の視点から注目ポイントを解説していきます。
- 【新設】歯科技工所ベースアップ支援料
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歯科技工所に勤務する技工士の賃上げの賃上げを目的として新設された点数
・点数 15点 (1装置につき)
・技工所へ補綴物(冠、Br、義歯等)の製作を依頼した場合に算定できます。
・算定タイミングは補綴物のセット時。・技工所と連携して届出をする必要があります。
注意点
・支援料として入ってきた診療報酬はすべて技工所へ支払う必要があります。
・提携技工所との契約内容にもよりますが、毎月入ってくる支援料を計算する必要があります。
・複数の技工所と取引がある場合、それぞれの技工所で集計する事務作業が発生します。
・ベースアップ評価料と同様に、毎年8月に実績報告書の提出が義務づけられています。
集計業務など、事務負担の増加が考えられますので、慎重に導入の検討が必要です。提携技工所との契約内容を事前によく協議し、スムーズな運用体制を整えておくことが必要です。
歯科外来・在宅ベースアップ評価料-
・対象職員の拡大
これまでの対象に加え、40歳未満の医師・歯科医師、事務職員なども新たに対象に含まれることになりました。
これにより、クリニック全体のチーム力を高める処遇改善が可能となります。
・「継続」と「新規」で異なる評価基準(段階的評価)
| 令和8年6月~ (新規) | 令和8年6月~ (継続施設) | 令和9年6月~ (新規) | 令和9年6月~ (継続施設) | |
|---|---|---|---|---|
| 初診時 | 21点 | 31点 | 42点 | 52点 |
| 再診時 | 4点 | 6点 | 8点 | 10点 |
| 歯科訪問診療 ※同一建物居住者 以外 | 66点 | 107点 | 132点 | 173点 |
| 歯科訪問診療 ※同一建物居住者 | 11点 | 21点 | 22点 | 32点 |
引き続きベースアップ評価料算定クリニックや、改定時から算定開始するクリニックは5月中に新様式での届出が必要です。管轄厚生局の情報を必ず確認しましょう。



ベースアップ継続施設と、そうではない施設では点数に大きな差が出てきます。今後、スタッフへの賃上げを考えているクリニックは、改定のタイミングでベースアップ評価料の届出を提出し、算定を開始しましょう。
小児口腔機能管理料・口腔機能管理料が2区分化へ-
小児口腔機能管理料
対象患者:18歳未満の口腔機能発達不全症の患者。
1. 90点 口腔機能の評価項目において3項目以上に該当する患者が対象(従来の対象)
2. 50点 新設 評価項目において2項目に該当する患者が対象。
日本歯科医学会の「口腔機能発達不全症」チェックリストでは、「食べる機能」「話す機能」の項目において、2つ以上チェックがついたものを「口腔機能発達不全症」と診断するとされています。口腔機能管理料
1. 90点 口腔機能低下症と診断され、検査(咀嚼能力、咬合圧、舌圧、口腔細菌定量、または新設の口腔粘膜湿潤度)のいずれかを実施した患者が対象。
2. 50点 新設 診断はされているが、1の検査を実施していない患者が対象。


算定が2区分化されることをスタッフに周知しておきたいですね。特に小児では、2項目該当と3項目該当では算定する点数が異なることを理解しておきましょう。
また、新たに口腔粘膜湿潤度検査(130点)が新設されました。
代表的な機器は、「ムーカス」などが挙げられます。機器導入の準備も始めてきましょう。 - P重防とSPTが統合し、「歯周病継続支援治療」一本化へ
【歯周病継続支援治療】 -
1歯以上10歯未満 170点 10歯以上20歯未満 200点 20歯以上 350点



20歯未満は減算となりました。
歯周病継続治療開始後の歯周外科の取り扱いが変わりますので、チェックしていきましょう。
歯周外科における変更点
「歯周病継続支援治療」実施後に行う歯周外科は以下の要件に当てはまる場合、所定点数(100%)で算定可能。改定前は以下の要件に関わらず、歯周外科の点数は50/100で算定することになってました。
全身的な疾患の状態により、歯周病の病状に大きく影響を与える場合
地域歯科診療支援病院歯科再診料を算定した患者で。遺伝疾患の状態により、歯周病が重症化する恐れがある場合
直前のキャンセル料の請求について
令和8年(2026年)6月1日から適用される通知により、「予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」を徴収できることが明確化されました。以下の要件を満たすことで、キャンセル料を請求できるようになりました。


- 対象となるケース
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診察日の直前に、患者側の都合でキャンセルした場合に限られます。
前日、当日など「直前のキャンセル」の定義をしっかり決めておく必要があります。
除外される理由も決めておきましょう。例えば、急病で入院した場合や災害などが考えられます。 - 事前の説明と同意
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予約の際に、患者都合のキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、同意を得る必要があります。
特に歯科診療では、多くの診療が事前予約制で行われています。そのため、現実的にはすべての患者さんに対してキャンセル料について個別に説明し、署名まで取得することは容易ではありません。
そのため、まずは一律に導入するというよりも、無断キャンセルや直前キャンセルが繰り返される患者さんへの対応策として、限定的に活用することが現実的だと考えられます。 - 書面による同意
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この同意の確認は、サービスの内容や料金を明示した文書に患者側の署名を受ける方法で行わなければなりません。
- 掲示の義務
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費用徴収の内容と料金について、受付窓口や待合室など院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載する必要があります。
- 妥当な金額
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徴収する費用は、社会的にみて妥当適切なものでなければなりません。
- 領収証の発行
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徴収した場合は、他の費用(保険診療分など)と区別した、内容のわかる領収証を発行する必要があります。



また、診察のキャンセル料とは別に、検査のキャンセルに伴って使用できなくなった薬剤等の費用についても、現に生じた損害の範囲内で徴収することが認められました。
令和8年度診療報酬改定は、点数の変更だけでなく、歯科医院の日常業務や患者さんへの説明にも関わる内容が含まれています。
すべてを一度に把握するのは簡単ではありませんが、まずは自院に関係の深い項目から確認し、必要な対応を少しずつ進めていくことが大切です。
改定内容を前向きに捉え、医院運営の見直しや患者さんとのより良い関係づくりにつなげていきましょう。


